相談の重要性

~男女差から分かること~

一生のうち、

メンタルヘルス疾患と受診される人の割合は

10人に一人程度と言われています。

(日本におけるデータです。)

これは、

心療内科を受診して、

そのように診断された人の割合なので、

実際には倍以上いると言われていますが、

まずは10人に一人だとして、

その男女差は、

どちらが多いと思いますか。

男性の方が多いのでしょうか。

女性の方が多いのでしょうか。

・・・正解は、女性です。

女性は7~8人に一人、

男性は12~13人に一人と言われています。

女性の方が、

メンタルヘルス疾患になりやすい理由としては、

・ホルモンバランスに波があること

・ライフイベントが、人生に及ぼす変化が大きいこと

があげられています。

女性は、更年期障害などはもちろんのこと、

月に一回の生理周期が、

心身にストレスを及ぼすことは、

よく知られるようになりましたし、

男女平等が叫ばれて久しいですが、

まだまだ

結婚・育児・介護の負担は、

女性の方が大きいのが一般的です。

ですが、男性は安心しても良いでしょうか。

男性は男性で、

いつの世も、

“自死率”は、男性の方が高い傾向にあります。

これは、やや矛盾があると思いませんか。

自死率の、全ての原因が

メンタルヘルス疾患だ、とは言いませんが、

女性の方がメンタルヘルス疾患が高いのに

自死率は男性の方が高いのです。

このような結果になる背景には、

女性の“相談力”に理由がある、と言われています。

女性は、

周囲とコミュニケーションを取ることが

男性よりうまく、

また、結婚・育児・介護などにおいて、

そのコミュニティの力を借りないと

成り立たない歴史もあったため、

他に“相談する力”が強いことが、

メンタルヘルス疾患から回復する力を強めた、

と、言われているのです。

そこから考えると、

“相談する”ということは、

メンタルヘルス疾患を

未然に予防できる効果が期待できることが分かります。

人によって、

相談することが、

できる・できない、合う・合わない、

という個人差はあるでしょうが、

自死率という、

社会一般の平均値を下げる程度には、

大きな効果があると考えられます。

人に相談することを、

単に“愚痴を言う”と軽く考えるだけではなく、

メンタルヘルス疾患の未然予防として、

前向きなセルフケア方法として

選択してもらえたら、と思います。

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